森繁久彌さんとウィンドジャマー

　森繁久彌さんは大のハーレーフアンでいらっしゃいました。1976年型のFLHと1977年型のサイドカーの2台を所有され、数年前まで2台とも森繁邸の車庫に置かれていました。
　森繁久彌さんの甥の野村氏（ハーレー乗りでアスリート）とのご縁でこの2台のメンテナンスをさせて頂いておりました。
　ご自宅にお伺いしてハーレーのエンジンをかけた時、ガウンのまま飛び出してこられ、「俺のハーレーエンジンかかったか」と喜んでおられました。また、「昔はよく乗ったんだよ」と気さくにハーレーのお話をしてくださいました。
　ご自身でお乗りになれなくなられてからも、大切なハーレーを30年近くご自分のそばに置いておられる程の大フアンでいらっしゃいました。
　その当時のハーレー乗りで知らない人はいないくらい森繁久彌さんがハーレーに乗っていらっしゃるのは有名なことでした。
　そして、このサイドカーは現在ウインドジャマーの牧之瀬が数年前に森繁久彌さんよりお譲り頂き、大切にそのままの状態で所有しています。
　お譲り頂いた時、森繁久彌さんは涙を流されながらタンクにサインをして下さいました。このハーレーを大切にしていらっしゃるお気持ちが痛いくらいに伝わってきたことをおぼえています。
　2009.11

ウィンドジャマー　牧之瀬　保